晴れ
女川で撮影の仕事をしてきた。海中に沈んでいる車を引き揚げるプロジェクトを始めようとしている人がダイビングで直接車を見に行く様子を撮影した。はじめにインストラクターに説明を受けてから海に潜る。船上から撮影していたがしばらくすると二人のうち一人が浮かびながら運ばれて来た。水中が息苦しくてリタイアしたらしい。恐怖心に勝てないと水中でパニックになり、潜っていられなくなる。自分だったら水中の恐怖心に耐えることができるだろうか。インストラクターの人がダイビング前の説明で潜っている最中に体に力が入ると勝手に回転してしまうからできるだけ力を抜いたほうがいいと言っていた。だいたい利き手の方向に回転するらしい。脱力していると思っても無意識に力が入ってしまう。陸地での生活でも人はかなり体に力を入れて生きているんだろう。たまにそれに気が付くと疲れが押し寄せてくる。
手つかずの庭でやろうとしていること。新しいことをやりたいわけではない。今できつつある生態系を壊さないことを考えている。石巻のキワマリ荘やART DRUG CENTERは理念を掲げた共同体ではない。だけど、完全にばらばらで何かをやっているわけではない。その状態を壊したくない。新しい価値観を打ち出そうとしているわけではない。今までに生まれた価値観を紐解いていく事を通して、見えなくなっている側面に光を当てることがやりたい。これは、単発で終わるわけではない。これからもここでの活動は続いていく。一瞬の出来事ではない。